-  超音波洗浄機の洗浄力を上げる方法  -
超音波音圧計ソノセーバー シリーズで音圧を測ってみると、
今まで見えなかった不具合の原因が見えてきます。
それらを改善するいくつかの方法をご紹介します。

①壊れていないが音圧が低い。
音圧を上げる一番手っ取り早い方法は、超音波洗浄機の出力を上げる事です。出力の高い超音波洗浄機に変えてしまえば済む話です。ですがどうしても現状の洗浄機を使いたい場合、いくつかの方法で洗浄力を上げることができます。
1.洗浄液を変える。
水だけの場合と洗剤を使った場合では、洗浄効果に格段の差が生まれます。また最適な洗剤を選定しなおす事で、洗浄効果を高めることができます。※音圧自体は下がります。
2.温度を上げる。
一般的に温度を上げる事により、洗浄効果は高まります。ですが水道水を使用している場合、溶存酸素量の問題から温度低くする方が、音圧が高くなる場合もあります。これを避けるために脱気が必要となります。
3.脱気させる。
洗浄水に含まれる溶存酸素量が高いと、水中に含まれる気泡により超音波伝達を妨げられ、洗浄効果が悪くなってしまいます。洗浄水に含まれる気泡を取り除くことにより、数倍の音圧が得られるようになります。
循環脱気装置OTARI DEAERATION SYSTEM

②ある部分の音圧が低い。
その部分だけ音圧が低く汚れが取りきれていない場合、ワークを沈める位置や振動子の配置に問題があると考えられます。その場所を避けてワークを沈めるか、振動子を動かすか増やす必要があります。また、振動子の真上がその状態の場合、振動子が壊れているか、壊れていない場合は、超音波の伝達を妨げている何らかの原因があると考えられます。たとえば洗浄槽内に何らかの超音波を吸収してしまうやわらかい物質がある場合など。ゴム、プラスチック、テフロンなどのやわらかい物質は、超音波を吸収してしまいます。これらを撤去することにより、通常の音圧が得られることがあります。

③音圧を高くするとワークに傷が付く。
ワークに傷が付く原因は音圧というよりも、周波数が関係してきます。周波数の選定ミスの可能性が考えられます。現状よりも高い周波数にすることにより、ワークに傷が付くことはなくなります。超音波洗浄機の交換をお勧めします。また洗剤を使い音圧を下げて洗浄効果を上げ、多少の改善ができる場合もあります。



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